歯が透ける、それは酸蝕歯が原因かも?正しい歯磨き方法とは
最近、歯が薄くなってきた。透けてきた。
鏡を見てそう感じたことはありませんか?
それはもしかすると・・・
『酸蝕歯』
が、原因かもしれません!
酸蝕歯(さんしょくし)とは?
歯は本来”エナメル質”という固い物で出来ていますが、食事に含まれる酸や日々の習慣によってこれらが削れてしまい、時間の経過とともに歯が薄くなってしまうことを「酸蝕歯(さんしょくし)」と言います。
つまり・・・
酸で歯が溶けている状態のことです。
ぱっと見るだけではわからない場合もありますが、光を当ててみると歯が透けてみえたり、歯の形が丸くなることで気がつくことがあります。
下記のような症状がある場合、酸蝕歯の疑いがあります。
□冷たいものや熱いものが歯にしみる
□歯にツヤがない
□光に照らすと歯が透けてみえる
□歯が薄く、黄色っぽく見える
□詰め物や被せ物が取れやすくなる
初期症状では痛みもなく気がつくのが遅くなるとされていますが、
一度溶けてしまった歯は元には戻せません。
そうなる前に、まずは原因となる習慣から詳しく見ていきましょう。
酸蝕歯(さんしょくし)の原因と習慣
酸蝕歯がクローズアップされるようになったのは、昔に比べて歯科技術が向上して、歯が長持ちするようになったことが要因とされています。
歯が長持ちすると、結果的にブラッシングする期間も伸びて、歯をたくさん使うことになります。
つまり、酸蝕歯を簡単に表現するのであれば・・・
『歯が疲れている状態』
と、言えるでしょう。
それでは、日頃の食生活で”歯はどのくらい酸の影響を受けているのか”チェックしてみましょう。
□毎日フルーツを食べている
□クエン酸を多く含むスポーツ飲料を頻繁に飲む
□柑橘系の飲み物をよく飲む(オレンジなど)
□ワインをよく飲む
□炭酸飲料をよく飲む
□お酢をよく飲む
酸を含む飲食物は多くあります。
これらは全て、歯を酸にさらしているため酸蝕歯になりやすい食生活ということになります。
また、美容ドリンクにもクエン酸やお酢が含まれていることが多いため、そういったものを頻繁に飲む女性も気をつけるべきかもしれません。
□食後すぐに歯磨きをする
□寝る前に酸を含む飲料を飲む
□飲食物を口の中に溜めてしまう癖がある(すぐに飲み込まない)
たとえば、酸を含む食事をした後すぐに歯を磨いてしまうと歯へのダメージが大きくなります。
唾液の分泌量が下がる睡眠時も、その前に酸を含む飲料をとることで、歯へのダメージが大きくなってしまいます。
このように、酸蝕歯にならないためには気をつけなければいけない習慣が多くあるのです。
酸蝕歯が進行すると、こんな症状に?
虫歯とは違い、酸蝕歯の怖いところは・・・
『複数の歯が同時にかかってしまう』
と、いうことです。
なので、1本の歯を治療すれば良いということではなくなってしまう可能性があります。
□初期症状
酸にさらされると、歯のエナメル質は一時的に弱く(柔らかく)なります。この時に過度の歯磨きをすると、エナメル質に大きなダメージを与えるとされています。冷たいもの、熱いもの、甘いものを食べた時に、歯がしみるのはこれが原因です。
□中期症状
酸蝕歯が進行すると、エナメル質が薄くなり下の象牙質が見えてくるようになります。この状態の歯は黄色っぽい色をしています。歯が摩擦で消耗して、丸みを帯びてくるのもこの時期です。
※さらに進行すると…
歯が薄くなり透けて見えるようになる場合と、エナメル質の下にある象牙質が見えてくることによって歯が茶色に見える場合があります。歯のひび割れが起こり、先がギザギザになります。このまま放置することによって重度の知覚過敏に進行するとされています。
治療は歯科院で
初期症状の場合、歯を強化するための薬剤を塗ることになります。
しかし、
症状が重くなるごとに”詰め物”や”被せ物”が必要となり、
最終的には・・・
抜歯する可能性もあります。
胃酸によって酸蝕歯が引き起こされている場合もあるため、そういった場合は内科・心療内科と相談のうえ治療を進めることもあるようです。
酸蝕歯予防・歯磨きで気をつけるべきこと
酸蝕歯は一度かかると厄介な症状です。溶けてしまった歯を元に戻すことはできません。
予防のためには、日頃から気をつけるべきことがいくつかあります。
□水、または緑茶でのうがい
飲食後は、口の中が酸性に傾いています。それを中和させるためにはまず、水やお茶でのうがいが有効になります。すぐに歯を磨くのではなく、まずは一度うがいをすることが良いとされています。
□ガムを噛む
ガム(糖質を含んでいないもの)を噛むことによって唾液の量を増やすことができます。唾液には歯のエナメル質を再石灰化させる力があります。そのため、口の中の酸を中和させながら歯を強くすることができるので、有効な手段といえるでしょう。
□食後30分は歯磨きをしない
飲食後は口の中が酸性に傾き、それによって歯のエナメル質が柔らかい状態になっています。その時間に歯磨きをすると、歯を痛める原因になり、それは酸蝕歯につながります。食後すぐの歯磨きは控え、最低でも食事から30分程度時間を置いてから歯磨きをするように心がけましょう。
もちろん歯磨きは、ゴシゴシと磨くのではなく、ゆっくりと優しく磨くことが大切です。
歯ブラシの毛先も固いものよりは「普通・柔らかい」が良いとされています。
酸蝕歯は初期の段階では、気が付きにくいとされています
一番良いのは習慣的に歯科医院に行って検査とケアをしてもらうことです。
歯科医院の定期検診を受けていない方は多いと思いますが、この機会に通ってみるのも良いかもしれません。
酸蝕歯が進行することで、大切な歯を失ってしまう可能性があるため、日々のケアを怠らないようにしたいですね。