ボトックスとボツリヌストキシンの違いとは?ボトックスの基礎知識
美容クリニック等でよく耳にする「ボトックス」による施術方法。しかし医院によってはボツリヌストキシンと表記されているところもありますよね。ではボトックスとボツリヌストキシンにはどんな違いがあるのでしょうか?
ボトックスの基礎知識
美容クリニック等で使われる「ボトックス」注射は、主にシワの改善などに使用されています。目尻のシワや眉間のシワ、ほうれい線の改善に効果が期待されたり、小顔効果や顎のえらを解消するためにも期待されています。
ボトックスで効果が期待される一例
・鼻根部の横シワ
・唇の縦シワ
・目尻を下げてタレ目にする
・下がった口角をあげる
・顎関節症、歯軋りの改善
・顔、脇、手のひらの汗を止める(多汗症)
しかし実はこの「ボトックス」は治療そのものを指した名前ではなく、アメリカの製薬会社アラガンで製造された薬の名前のことを指しています。このボトックスの成分として使用されているのが、「ボツリヌストキシン」というボツリヌス菌から抽出されたたんぱく質の一種で、この成分がシワの改善や予防に効果的とされています。
つまりボトックスは治療法ではなく、アラガン社の薬のことを指しているのです。
ボトックスには種類がある?
ボトックスとは、アメリカ製薬会社アラガンの薬の名前です。ボトックスは世界シェアナンバーワンで、高い知名度と、FDA(アメリカの厚生労働省のようなもの)で認可を受けた信頼度の高い薬品になります。
しかしボトックスと同じ効果のある薬品(ボツリヌストキシンを使った注射)を製造しているのは、アメリカのアラガン社だけではありません。他の会社も同じ効果のある注射を製造しています。しかし「ボトックス」という名前はアラガン社が商標登録をしているため、その名前をつけることができません。
つまりクリニックによって「ボツリヌストキシン注射」と明記されているものは、効果は同じであったとしても、アメリカのアラガン社で製造されたものではないという意味になるでしょう。
ボツリヌストキシン注射はどこの会社?
クリニックによってはボツリヌストキシン注射のことも、ボトックスと呼ぶ場合があります。これは「ボトックス」と表記したほうが、私たち消費者にとってわかりやすいからという理由からでしょう。
ボトックスの他、日本で多く使われているボツリヌストキシン注射にどんな種類があるのか、一例としてあげてみると、だいたいこの3社になると言われています。
□ディスポート
・イギリスが開発したもの
・ボトックスと同じFDA認可を受けている
・ボトックスよりも効果が高いという口コミあり
・料金は高め
□リジェノックス
・韓国が開発したもの
・ボトックスよりも安価で知られている
・韓国で安全性の認可を受けている
□ニューロックス
・韓国が開発したもの
・韓国で安全性の認可を受けている
・リジェノックスに比べて取り扱いは少ない
ボトックス・ボツリヌストキシン注射の選び方
一口にボトックスと言っても、実はいろいろと種類があり製薬会社が異なります。製薬会社が異なると、やはり効果にも若干違いが現れます。
たとえばアメリカアラゴン社のボトックスよりも、イギリスのディスポートが良いと考え、わざわざその製剤を使用しているクリニックを探す方も多くいるようです。値段にも若干の違いがあり、個人差はありますが効果の感じ方にも違いが現れるようです。クリニックによって使用している製剤が違うので、「どこ」の会社の「なに」を使っているのかは、クリニックに直接問い合わせをしてみなければなりません。
施術部位によっても効果が違う?
アメリカのボトックスと、イギリスのディスポートは比較されることが多いものですが、実は部位によって効果の出方に違いがあるとも言われています。たとえば効果が早いのはディスポートで、濃度が高いのがボトックスという意見もあります。
そのためクリニックによっては、顔のシワにはボトックス、顎やエラにはディスポートというように使い分けているところもあります。(値段はボトックスのほうが一般的に高価になっています。)
ボトックスとボツリヌストキシンの違い・まとめ
ボトックスには実は種類があることがわかっていただけたと思います。しかし私たち消費者がその薬の細かな違いを見極めることはなかなか難しいことです。クリニックによっては薬を使い分けているところもあるので、まずは「どんな症状を改善したいのか」を、きちんとカウンセリングを受けて、それから決めることをお勧めします。
クリニックによっては一種類の薬しか扱っていない場合もあるので、自分が納得できるクリニックや医師を探すことも大切かもしれません。